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- 【監修記事】マイクロブタのオフ会は危険?mipigが解説する接触NGの理由と正しい飼い方
最近、SNSなどでブタさんを連れてのオフ会や交流会の様子を見かけることが増えてきました。
オーナーさん同士がつながり、ブタさんを通して交流を深めたい——そんな温かい気持ちは本当によく分かります。
ですが、その一方で、ブタさん同士の接触には大きなリスクがあることも、ぜひ知っておいていただきたいです。
今日は、なぜ「ブタさん同士の接触は控えていただきたいのか」について、少し詳しくお伝えします。
本記事は、ヤマザキ動物看護大学 伴侶動物行動管理学研究室 堀井隆行先生に監修いただきました📝
ブタさんは「家畜伝染病予防法」の対象動物であり、万が一、感染症が発生した場合、発生日を起点として10日以内に接触したすべてのブタさんが殺処分の対象となってしまう恐れがあります。
ブタさんたちの命と健康を守るためにも、他のブタさんとの接触は避けてください。
ブタさんは「群れをつくる」動物です。
群れをつくる動物だと知ると「他のブタさんと仲良くできる」と思われがちですが、そう単純ではありません。
ブタさんは本来、母子での家族群をつくり、繁殖の際にオスが加わってきます。
つまり、血縁関係がないブタさん同士が集まると群れの秩序を保つために順位を決めるための争いが起こりやすくなります。
この争いは、集まるメンバーや環境が変わるたびに起こりやすいです。
(mipig cafeでブタさんたちが喧嘩する理由も、この性質に起因しています)
そのため、オフ会などで血縁関係のないブタさんが集まると、いつ喧嘩が起こってもおかしくない状態になります。
特に多頭飼育の場合、他のブタさんと接触すると、同じ家庭で生活していて、これまで仲の良かった子同士が急に喧嘩を始めることもあります。
争いを通してブタさん同士の関係性が安定するまでには数日かかると言われています。
ブタさん同士の喧嘩を避けるためには、外部のブタさんとの接触は避けることが大切です。

ブタさんは、ボディランゲージによって遠距離から相手との争いを緩和することがワンちゃんほど得意ではありません。
ワンちゃんは、視線の向きや姿勢、唸り声・吠え声、歯の見せ方などから、多様に相手に合図を送ることで、殺傷能力の高い咬む行動を極力しないで済ませようとします。
しかし、ブタさんは相手に接近して、頭で押したり、突いたり、突き上げたりする行動が起こりやすく、その流れで相手を咬むことも珍しくありません。
想像以上に激しい(あるいは激しく見える)喧嘩になります。
体重も中型犬から大型犬並みにあるので、下手に介入することは小型犬の喧嘩を止めようとすることよりも危険です。
そのため、初対面のブタさん同士の接触は、思わぬケガやトラブルにつながるリスクが高いのです。
ワンちゃんのように「お出かけオフ会」をしたくなるお気持ちはとてもよく分かります。
しかし、ブタさんはワンちゃんよりも社交的ではなく、繊細で臆病な動物です。ブタさんにとっておうちが一番安心できる場所です。
ブタさん連れのオフ会は、残念ながらブタさんにとって大きなストレスとなり、飼い主さんの自己満足になってしまう場合があります。
どうか、ブタさんの安全と安心を第一に考え、オフ会や接触イベントの開催・参加をお控えくださいますようお願いいたします。
みなさまの愛情と配慮が、ブタさんの穏やかな毎日を守っています。
ご不明点やご相談があれば、いつでもmipig ownersスタッフまでご連絡ください。
堀井 隆行 先生
・ヤマザキ動物看護大学 伴侶動物行動管理学研究室 所属
・修士(動物応用科学)
・動物のストレス管理・行動修正の研究と実践
・動物病院での行動カウンセリングや、学生への飼育実習も担当
mipig 編集部
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